何だかんだで田舎に引っ込んで静養してきた経験が何度もあるので、何となく、その感覚がよみがえるような感じがした。傷ついたりもう駄目なくらい消耗して疲れ果てたり、でもそういう時は意外と純真なもので、それが若いときなら特に入り込む濁点に耐えられないと言うのもよくわかるなぁ、と。
 物語だから、カタルシスもあるわけだけど、現実はどうだろう。何かしら失ったものを哀悼することで経験の澱になってるかな。生きた導きがあるのがフィクション、ないのがリアルか。
 ただこの物語にあるカタルシスは、軽妙に柔らかく、何かしら父性的なところもあるようで、好感が持てる。生活の描写が生き生きとしているのが、何となく女性的で絵画的だと思った。

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