原潜の歴史系譜から現在、その技術など、「知られざる世界」が多少なりとも公開されたのは評価したい。が、やはり一番機密がきついんだろうな、と思ったりする。文書の量は少なめで、すぐに終わってしまった。
 巻頭には日の丸原潜なんて勇ましいタイトルも踊るが、その実は退役海幕や大学の先生なんかの作文5件10Pで占められるに過ぎない。内容も、持つべきという勇ましい意見が3件、現実を見れば持てないが2件と言う按配。海幕(海将)3名のうち2名が防衛産業のありかたと基地設備問題などから無理としているのが興味深い。
 私自身は防衛費を現代のOECD各国の低めに設定してGDP2-3%としたとしても、持つには技術的にも産業的にもハードルが高く、また、それ以前に整備・維持すべきものが多いのではないか、と考える。つまりは弱点の兵站の充実、現代戦に応じた戦力のトランスフォーメーションと付随する通信などの装備を充実させること。ごつい装備品は、V-22や水陸両用の装甲車両とかは必要になるとは思うけど、先ずは無くても何とか工夫できるんじゃないか(MDは日本人のわかりやすい感覚から予算はつくけど、所詮先の無い北朝鮮のみにしか通用しない)。
 島嶼防衛・奪還を考えるなら、逆に今のSSは大きくなりすぎていないかと思うのだけど。

コメント

せきやん
2009年12月29日8:24

橋脚さえ持たぬ重すぎる戦車は要りません
海軍力と空軍に重点特化。

淵瀬春秋
2009年12月30日18:44

抗耐力(制空権・制海権は脆弱で時空間的に変化する)と、どんなに戦争の技術が進んでも歩兵が目的地を占拠しない限り勝利は無いことを考えると、戦車を盾とした陸軍力と言うのも疎かには出来んです。それが冷戦時代のフォーメーションのまま、と言うことが最大の問題ですが。

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