専門の教科書と入門書の隙間を埋める、電車の中で気楽に読める本を目指したというが、まさにそのとおりに収まっている。書き手も編集者も出版社も相当に手馴れている感じを受けた・・・と思ったら、昔読んだ「エア・パワー」(こちらは教科書)と同じ出版社だったか。
 機甲戦というと即戦車モノでカタログ化してモノに歴史あり、またはだれそれが偉い、となる本なら何ぼでも出回っていると思う(実際良く見る)。が、時代と人と地政があって、その結晶として科学的な思想としての戦術(ここでは機甲戦)というものの系譜があると入って来てもらえるのはそうそうない。唯物史観的に現象が捉えられているのも心地よい。戦術というのは戦地において勝つか負けるかで白黒つくから明快である。こういうきちんとした理論とストーリー歴史なら入っていきやすい。
 日本が機甲戦を仕掛けることはもちろんないだろう。山がちな国土の防衛・或いは非対称戦という日本独特のあり方が要求される。日本の政治ドクトリンとリンクした自衛のドクトリンが明示されてしかるべきなのだが・・・平和趣味の日本には合わない話かな。

コメント

せきやん
2009年12月11日4:36

著書を立ち読みもせず何にもいえないんですが・・・
どうなんでしょう
この国はノモンハン以外欧州の歴史と違い機甲戦史がないんでしょう?
機甲戦も結果実戦経験者が立案に加わってこその勝利に向けたものとなるのでしょう。画餅に終わるのが常。
従属国から脱皮しての歴史を長年積み上げないとこの60数年の平和の国ではどうにも頭でっかちになっているでしょう。何もなくとも先に防衛予算のニンジンぶら下げられての5兆円もの使い道探しの国なんて世界広し、どこにもないでしょう
ハードのみ充実でソフト=人材不足はこの国のお得ワザの蔓延化。総ては韓国台湾のごとく独立を早く果たすことでしょう。ご紹介いただいた本を急いで探がしてみます。
いつも有難うございます。

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