個人の生き方を自由主義と公共性、ライフサイクルの面から整理しなおし、そのアクターの行動が開かれていることが社会の上で重要であること、云わば個人から見た社会との関わり方・ありようを描いたなかなか面白い本。「定常型社会」(岩波新書)が総合的にあっさり概略を書いた本なら、こちらは「コミュニティを問い直す」ともども絡み合いながら詳説してゆく感があり、非常に充実していた。
 環境をめぐる問題が富の総量、福祉をめぐる問題が富の配分の問題である、というのは非常に納得が行く。社会環境というときに両者は生態系サービスなどを介して不可分である。総量は地球の容量で一定、それを食い合うか、足るを知るか。

 福祉というのが国家という仕掛けからではなく、あくまでロバストな社会を担保する形で展開すべき、社会が生産年齢ではなく、幼老齢にもっと開かれていていいんじゃないか、というのはまったくうなづける話だ。

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