プリマーのほうじゃない時点で若年者向けじゃないんですが、実際中身は、こういうマージナルな書きにくい話題をこれだけ判りやすく書いた、というのが何よりすごい。このスラックな感じが非常によい味を出しているのも素晴らしい。

 取り上げられているさまざまな現代思想だけれど、確実に常軌を逸する(たとえばディープエコロジーにおける人間の制限のありよう)というところにはきちんと否を唱え、実に判断つきかねているなというところを上手く補完しつつその表現しきれない事由を解説する、そうした行為の実に丹念で、深い理解が、なんとも心地よい。もちろん、著者自身が透明であるわけは無いわけであるが、かなり著者はカードをオープンにしてきているんじゃないだろうか。

 本書の持つあいまいさ、マージナルな環境、というのが実に人間味あるものに思えるのは、動物的に答えや指示、果ては支配的な雰囲気(いわゆる「空気」・・・実に空虚なもの)を求める殺伐とした現代の動物的人間・社会というものがあるからだろうなぁ。

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