農民も土も水も悲惨な中国農業 (朝日新書)
2009年7月25日 読書
日経ビジネスオンラインで著者が登場して紹介していたので(手前味噌)、記事をより深く知るために読んだ。中国の農業環境には何かと噛むことになりそうでもあるし。
先ず、モノを書きなれた学者肌の著者によるものなので、しっかり読めるというのを評価しつつ、中国の人治主義と先富論から地方政府・龍頭企業による農民が農民を搾取する構図というのがあからさまに、かつ動物的センセーショナリズムではなく、問題点とその構造の重層性を丹念に解題し記載し評価しているところも非常に良い。そして単純にネガティブイメージで蹴飛ばすのではなく、中国の農業に対する姿勢の問題が日本に与える(リスクではなく)現実的問題の大きさをきちんと提示し、果たすべき役割に関して読者に話を渡しているのも良くかけていると思う。平易に厄介なことを書いているので理解はしやすいが、すらすら読めるわけではなく結構骨があった。それだけ隣国の問題の大きさ、恐ろしさ、裏の深さを、一応視察してきたものとしてまざまざと知らしめられたと言う実感がある。
"Your security is alos our security"、私はハルピンでの接待で美酒美食を堪能しつつ、しかしこのテーブルに載る食べきれないほどの料理(それが中国の礼儀)の孕む問題の苦さを感じて隣席の研究者さんに漏らしたが、今度の南京行きで私は何を覚悟しなければいけないだろうか・・・"To risk unknown, and solving it is our duty"一階の科学者に出来るのはここまで。
軍事など何の脅威でもない、そう実感させてくれる一冊。
先ず、モノを書きなれた学者肌の著者によるものなので、しっかり読めるというのを評価しつつ、中国の人治主義と先富論から地方政府・龍頭企業による農民が農民を搾取する構図というのがあからさまに、かつ動物的センセーショナリズムではなく、問題点とその構造の重層性を丹念に解題し記載し評価しているところも非常に良い。そして単純にネガティブイメージで蹴飛ばすのではなく、中国の農業に対する姿勢の問題が日本に与える(リスクではなく)現実的問題の大きさをきちんと提示し、果たすべき役割に関して読者に話を渡しているのも良くかけていると思う。平易に厄介なことを書いているので理解はしやすいが、すらすら読めるわけではなく結構骨があった。それだけ隣国の問題の大きさ、恐ろしさ、裏の深さを、一応視察してきたものとしてまざまざと知らしめられたと言う実感がある。
"Your security is alos our security"、私はハルピンでの接待で美酒美食を堪能しつつ、しかしこのテーブルに載る食べきれないほどの料理(それが中国の礼儀)の孕む問題の苦さを感じて隣席の研究者さんに漏らしたが、今度の南京行きで私は何を覚悟しなければいけないだろうか・・・"To risk unknown, and solving it is our duty"一階の科学者に出来るのはここまで。
軍事など何の脅威でもない、そう実感させてくれる一冊。
コメント