DNAの転写から始まって、たんぱく質の合成、熟成、分解、失敗作の管理、などなどの話を絶妙の柔らかさと固さを持って極めて解り易く解説した、生化学・タンパク部分の絶好の入門書。何というか、生半可な知識しかなかったり、断片的に単語だけ聞いていたり、モヤモヤしていた痒いところに、すっと手が届いて、何とも気持ちいい本だった。
 ブルーバックスの「たんぱく質の反乱」は安い世界二流三流の研究で全能の遺伝子の御子たんぱく質を崇拝しようと言う感じの下らない本だった。が本書はタンパク質の一生をスラリと書き上げた、著者の世界一流を感じさせてくれる。
 非常に充実した一冊だった。

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