BRICsの概観と成立過程とその現代的蓋然性、経済成長の実態、日本はどう付き合うか、など、なかなか興味深い話が多かった。ただ、カリスマ的リーダーの存在などに焦点を当てるときに光の側面だけというのはいただけない。
 組織ピラミッドの頂点を握ることに執心するのは、国のGDPの多少に執心するのは、決して賢いやり方ではない、ということを肝に銘じ、経済大国の名を捨て、クレバーに生き残るにはどうしたらいいか、ということにもっと執心すべき、と言うことを強く受け取った。というか、R&D、インテリジェンス、社会福祉外交政策などで国際社会において欠くべからざるソフトパワーの中心を数多く持った、恐るべきミドルパワー国家へとシフトすべきと言う信念を確信した感じがする。

 相撲において、小柄な力士が巨漢怪力力士を倒せる、その理屈を考えるのと同じである。多様な民俗民族を融合させることでBRICsが成立したなら、比して均質な日本などは多角的価値共有を核とした水のように一見不定形の、しかし孫子の兵法における究極の戦略を展開すると言う方法があるのではないか。
 ピラミッドの頂点しか見ないと言う没落の公式をまず認識することだ。

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