監察医の著者が、実際の事件で発生した死体から推察する犯行と実際または未解の場合は推理、というなかなかある意味スプラッタな本。ただし、本来、映画のようなスプラッタな状況なんてないとのこと。まあ、おかげで生々しいけど。生きている人間は嘘をつくが死体は正直で齟齬がある時は死体と現場をリファレンスにすべきである、と言う姿勢には共感した。科学者・アナリストとしては、うーん、やっぱりそう突っ込むよね、とあらゆる意味で笑えないツッコミのツボにはまること数多。
 ただし、フィクションを監察医の立場から見て評価するのは・・・ええ、研究者というのはそうやってフィクションに突っ込んでしまうのが性なんです、と悲しくなったりした。とはいえ、最後の「あしたのジョー」の評価のように、作家作品の本質にも考察を加えているのだという事もまた、事実なのである。

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