里山ビジネス (集英社新書 448B)
2008年9月16日 読書 コメント (2)
まあ、桃源サクセスストーリーなんだけど、拡大はワイナリーのためであって、食べてゆける範囲であればいい、という拡大しない持続型の発想と言うのは評価すべきだと思う。つまりは金銭や高価な品によって計られる物量数の充足から生活の質的な充足、狭い国土の中で食べてゆくこと、と言うことに静かに着地してゆくのだが、そこまでの話の組み立ても見事である。
脱・上昇志向、と言うのは高度成長思想から脱却してポストモダン後としてもっと重視されていいと思う。勿論、そこにLOHASのような経済奮起策などは入り込む余地はない。
脱・上昇志向、と言うのは高度成長思想から脱却してポストモダン後としてもっと重視されていいと思う。勿論、そこにLOHASのような経済奮起策などは入り込む余地はない。
コメント
善意から始められたコミュニティであり、かつその構成員も当初のモチベーションを保ち続けることが可能な人数って、実際にはどれぐらいなんでしょうかねぇ?
(真っ赤な壮大な失敗を思い浮かべています。)
さらに世代を重ねても滅んだり廃れたりしないって事を考慮に入れれば少なすぎても多すぎても無理が出る。
かと言って過去に造られた人工的な閉じたプラントである里山の中でヒトは満足しない(勿論、選択肢の一つであると理解したとしても、実際にそれに満足できるか?)
永劫回帰でもない限り、コミュニティには刷新が必要になるわけで、やはり遷移の中で地域的に出ては消えて、しかし必ずどこかにはある、的なものとして存在してゆくのがありようじゃないでしょうか。清濁あって人間なんでしょうから、田沼が恋しくもなるでしょうし。
問題は田沼の質がどんどん悪くなっていることでしょうねぇ。