得をするのは誰？

　ネット規制をして喜ぶのは、実績を作った政治家と監督者ということになるけど、パノプティコン的には、ネットだけじゃなくなるんだよね。日本は口約束が契約のうちに入るので、飲み屋でバカ話するのも憚られることになる。実際厚生労働省管轄の研究所では、政治の話や体制批判は昼休みとかでも厳禁である。

　ネット上でいまさら本屋ー新古書店の関係(万引きした本を換金していると言う話)が上っているようだけど、こんなもん、私が結婚した頃から話になってた。私は市販図書を書いているし、その何十倍も読んでいる。新古書店も利用するけど、基本はリアルの本屋、次にネットの本屋というのが基本。お金持ちだからではなく、書いた人に敬意を払う意味で、著作料を納めるつもりで新しい本を買っている。新古書店で買うのは、そこまで敬意を払っていないとき、である。万引きされた本を新古書店で買ったなら「善意の第三者」になるかというと、全てのオリジンである著者・出版社の概念が抜けており、経済にはある程度貢献するけど、実は本を作る立場は完全に無視されているのではないか。
「地球にはこういう言葉がある・・・騙されたと思って食ってみろ・・・まあ大抵は騙されるがな」島本一彦・吠えろペン
　というのは事実で、買った本の2/3は売っ払っているけどね。再販制度で守られた出版とフリーライダーの新古書店。嫌なものである。この利権の大きさは、メディアが一斉に反対する事から知れるのだけど・・・素直な人は信じるよね。

　厳戒体制で聖火が届いたそうだが、日本人で星野仙一氏の持つ聖火を消せる気合いのあるひとは少ないだろうなぁ、と思ったりする。まあ、それは置いといて、オリンピックを政治マターにしない、というのは、もともと無理でしょう、と私は思う。別にナチス聖火をやってるからとかでは無く、誘致が国-地域の威信になっているのだし、そのために少なからぬ資本と人材が政財界から動いている。スピルバーグが監督を降りたのは個人の主義主張でありそれは自由だ。が、子供ブッシュが降りないよう要請した時点で政治である。五輪関係の言動を個人の責任に還したのはアメリカのナショナリティであるが、日本はどうか。私が常に接する日本のメディアはNHKpodcast(英語版)と新聞ネット版、たまに紙媒体新聞だが、選抜選手からOPに関して問題視する声は聞かれない(批判した時点で落とされるとでも脅されているかな？と勘ぐってしまうし、日本のナショナリティなら)。注目、と言う国民マターに姿を借りて、実はモスクワオリンピックにでなかった事実を忘れてもらいたい、そんなJOCの発想を勘ぐりたくなる。それに日本人の活躍する競技にバイアスして報道されるのも嫌いである(写らない日本人選手が可哀想)。この辺も国民に衣を借りた国体マターである。私はスポーツを、面白いから見るのであって、日本人だから見ることはしない。だって、トップアスリートの祭典なら、各競技最高の競技を見たいから。
＃単純に冬のオリンピックで滑降が見たいと言う話でもあるけどね。