テレビ霊能者を斬る メディアとスピリチュアルの蜜月 (ソフトバンク新書 57)
2008年2月13日 読書
冷静でなかなか痛快な話だった。まあ、江原・細木に関しては私はテレビでも殆ど見ないし、この二人の番組はマトモに見た覚えがない。が、個人史と現代の社会人間環境から考えるとこの本は読んで面白いと思えた。マスコミ黎明期からの霊感モノクロニクルも面白く読め、最後のまとめに向かって頷き、ハマる人たちの事を冷笑しながら読み終えた。勿論、本書はシニカルな話ではない。むしろ淡々と感情を交えずに進んでいる。
切って捨てるのは簡単だ。霊感カウンセラーは、所詮ふらふらした個人に後付けの一般論を断定形で喝っぽい事を言っているだけで、その内実に何の裏もない運命論をこじつけているだけ。ハッピーになるのもその個人だけでその環境にかける迷惑を考えない(これは安易な自己啓発／カウンセリングにも言える事だが)。
動物化とカーニバルの社会で、その空洞を埋めるのがこんなものだとしたら、私は社会と言うものにぞっとするし、未来を感じられない。
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