人間は遺伝か環境か?遺伝的プログラム論 (文春新書)
2007年12月19日 読書 コメント (3)
ISBN:4166604856 新書 日高 敏隆 文藝春秋 2006/01 ¥746
生物の成長と遺伝と環境の関係の相似形として人間の成長における遺伝と環境の関係を論じた一冊。最後の対談で「優生学等に陥る危険性」を危惧して居たが、確かにタイトルやごく一部を引用する形で恣意的に編集すればその危険性は高い。
論旨的には、成長過程での遺伝の発現部分を上手く発展開花させる事が必要である、と言う事で、氏か育ちか、と言う時にどちらと言う議論、社会環境やプログラムを変えると言う議論は不毛ではないかと言う感じである。
精神医療において、帰納的に性格を5つの指標で示した場合の遺伝的部分(一卵性双生児を使った分析)は成長に伴い増加する(といっても25%が50%になる程度)と言う話はあるが、本書は帰納的に求められるものを演繹的に用いる事に警鐘を鳴らしているし、それは確かに正しいと思う。OSが同じだからと言って、誰もが同じアプリケーションを同じ用途に用いる、等と言う事がないのと同じである。先ず、壁紙から違っていたりするのと同じである。逆もまた真なりで、例えば私はMacOS, Windows, Linux(TurboとVine)で違うアプリケーションで結果的に同じ事をする。
結局、どう活かすか、活かせる状況を得る/与えるか、と言う問題に行き着く事になる。遺伝的部分だけを見ても、活動・社会的場面/環境側面だけを見ても、どちらも正しいが、どちらも不毛な隘路でしかない。
生物の成長と遺伝と環境の関係の相似形として人間の成長における遺伝と環境の関係を論じた一冊。最後の対談で「優生学等に陥る危険性」を危惧して居たが、確かにタイトルやごく一部を引用する形で恣意的に編集すればその危険性は高い。
論旨的には、成長過程での遺伝の発現部分を上手く発展開花させる事が必要である、と言う事で、氏か育ちか、と言う時にどちらと言う議論、社会環境やプログラムを変えると言う議論は不毛ではないかと言う感じである。
精神医療において、帰納的に性格を5つの指標で示した場合の遺伝的部分(一卵性双生児を使った分析)は成長に伴い増加する(といっても25%が50%になる程度)と言う話はあるが、本書は帰納的に求められるものを演繹的に用いる事に警鐘を鳴らしているし、それは確かに正しいと思う。OSが同じだからと言って、誰もが同じアプリケーションを同じ用途に用いる、等と言う事がないのと同じである。先ず、壁紙から違っていたりするのと同じである。逆もまた真なりで、例えば私はMacOS, Windows, Linux(TurboとVine)で違うアプリケーションで結果的に同じ事をする。
結局、どう活かすか、活かせる状況を得る/与えるか、と言う問題に行き着く事になる。遺伝的部分だけを見ても、活動・社会的場面/環境側面だけを見ても、どちらも正しいが、どちらも不毛な隘路でしかない。
コメント
それが見通せる者こそ、ホントの意味で「エリート」なのではないかと思います。
ワタシは精々「え……?」程度でしょうか(笑)。
ご報告ありがとうございます。うーん、惜しかったですね。次は77777をお楽しみに!
Q、
このあたりの問題と、格差の固定・伝搬問題(ネオ階級社会)とを絡めて議論して行くことも興味深いですが、教育側面での応用の事もいろいろ考えられますね。先見力に関しては民間検定があるのですが、これはこれでちょっとなー、と思うことがあります。