ISBN:4166605836 新書 猪瀬 直樹 文藝春秋 2007/07 ¥746

 石油を通して敗戦史を描いたそれなりの本。回顧録系で思想的に鼻につく部分もあるが、書いてあることは納得の行くものである。
 空気とは怪物である、というのはいかにも日本的で、全く進展が無いね、と思う。その件は納得するし、私に決断を命じられた時の雰囲気というのも、そのとおり(私は断れる立場だったので命令を拒否したが)。じゃあその怪物を解剖し、解析し、対峙するに十分なまでの思想を一仮説としてでも描けたかというときわめて疑問だ。
 そこを突かない限り、何の展開も無い。共感を呼ぶだけで、考えさせる基礎にもならないと思うのだけれど、これは厳しすぎる意見かな。

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