BSE、CJD等の「プリオン病」は、正常プリオンを異常プリオンが変移させ、異常プリオンが凝集する事によっておきる・・・と言うのが俗説である。
が、実はこの事は科学的に証明されているかどうかは疑問である。少々古いが(独)動物衛生研究所は、「プリオン病の病態発生機構の解析」(研究期間1997-2002)の成果を発表している。
http://niah.naro.affrc.go.jp/project/prion/index.html
「蛋白質の二次構造転移と自己増殖」なんてそのものの課題名だし、「プリオン様蛋白質のコンフォーメーション変化とアミロイド形成」は問題のある題目だが興味深い。私はタンパク工学も家畜病理も専門外で大卒程度の有機化学の知識があるだけだが、要約すると、
・酸性条件下(10mM HCl溶液:生体内では胃袋でもない限りない酸性条件下)でモデルタンパク(プリオンタンパクではない)は不安定化し2次構造が変化した。
・酸性条件下(pH4)で対象としたタンパク(やはりプリオンタンパクではない)の二次構造は変化し、一定の二次構造をとる。この働きは変異したタンパクを加えることで加速された。
ということになるようだ。
残念だが脳内環境を模してプリオンタンパクを対象とした実験は行われていない。
http://niah.naro.affrc.go.jp/research/index.html
で研究成果を検索しても出てこない。
http://niah.naro.affrc.go.jp/research/prion/result.html
に異常プリオンを増幅する方法があるが、詳しい方法に関しては書かれておらず、なんとも評価できない。
「プリオン説は本当か」(講談社ブルーバックス2005年)が最新情報であるとすれば、純粋な異常プリオンを接種しても脳内では異常プリオンが増えたり海棉状脳症を起こしたりしないし、プリオン説でノーベル賞をとったプルシナー博士自身、実験に失敗している。
ところでプリオン病はプリオン説の他、スローウイルス説、重金属説等がある。スローウイルス説に関しては上述の「プリオン説は本当か」に紹介され、また、サポートする学術雑誌記事(Qのブログからたどった覚えがあるのだけど・・・失念)がここ1年ほどの間に出たりした。重金属説は立ち読みしただけだが、これほど明らかなメカニズムなら実験室条件で再現したという話を聞いてもいいはずだが・・・?
重金属説に従うなら、特定危険部位(何類まで含めるかが問題だが)を除去しさえすれば安全、プリオン説・スローウイルス説なら異常プリオンの蓄積が発覚した牛を廃棄してと畜ラインの洗浄、と言う処理が適切となる。
検査関係だが、日本短角のような自然交配の牛を考えると、事実上の全頭検査が望ましいのは、「原因が特定できていない現状」では言うまでもない。第一、動物衛生研究所の研究成果がそのままプリオンタンパクに当てはまってプリオン説なら、プリオン病は確率的に起こることになり、国による発生の確認・未確認に係わらずプリオン病は発生することになる。
「これは政治の問題」とアメリカ牛肉業界の代弁者がいうなら、二本も政治の問題で解決しよう。即ち、プリオン病にかかっていないと確認された安全な牛肉しか市場に出回らないから、アメリカは日本の牛肉輸入を自由化すべきだ、と。
ちなみに農産物の関税は、アメリカ6%日本12%ですが、食糧大輸出国主要4ヶ国(米豪加NZ)は特に低いけれど、OECD平均は36%です(日本農業の実際知識・全国農業会議所)。
が、実はこの事は科学的に証明されているかどうかは疑問である。少々古いが(独)動物衛生研究所は、「プリオン病の病態発生機構の解析」(研究期間1997-2002)の成果を発表している。
http://niah.naro.affrc.go.jp/project/prion/index.html
「蛋白質の二次構造転移と自己増殖」なんてそのものの課題名だし、「プリオン様蛋白質のコンフォーメーション変化とアミロイド形成」は問題のある題目だが興味深い。私はタンパク工学も家畜病理も専門外で大卒程度の有機化学の知識があるだけだが、要約すると、
・酸性条件下(10mM HCl溶液:生体内では胃袋でもない限りない酸性条件下)でモデルタンパク(プリオンタンパクではない)は不安定化し2次構造が変化した。
・酸性条件下(pH4)で対象としたタンパク(やはりプリオンタンパクではない)の二次構造は変化し、一定の二次構造をとる。この働きは変異したタンパクを加えることで加速された。
ということになるようだ。
残念だが脳内環境を模してプリオンタンパクを対象とした実験は行われていない。
http://niah.naro.affrc.go.jp/research/index.html
で研究成果を検索しても出てこない。
http://niah.naro.affrc.go.jp/research/prion/result.html
に異常プリオンを増幅する方法があるが、詳しい方法に関しては書かれておらず、なんとも評価できない。
「プリオン説は本当か」(講談社ブルーバックス2005年)が最新情報であるとすれば、純粋な異常プリオンを接種しても脳内では異常プリオンが増えたり海棉状脳症を起こしたりしないし、プリオン説でノーベル賞をとったプルシナー博士自身、実験に失敗している。
ところでプリオン病はプリオン説の他、スローウイルス説、重金属説等がある。スローウイルス説に関しては上述の「プリオン説は本当か」に紹介され、また、サポートする学術雑誌記事(Qのブログからたどった覚えがあるのだけど・・・失念)がここ1年ほどの間に出たりした。重金属説は立ち読みしただけだが、これほど明らかなメカニズムなら実験室条件で再現したという話を聞いてもいいはずだが・・・?
重金属説に従うなら、特定危険部位(何類まで含めるかが問題だが)を除去しさえすれば安全、プリオン説・スローウイルス説なら異常プリオンの蓄積が発覚した牛を廃棄してと畜ラインの洗浄、と言う処理が適切となる。
検査関係だが、日本短角のような自然交配の牛を考えると、事実上の全頭検査が望ましいのは、「原因が特定できていない現状」では言うまでもない。第一、動物衛生研究所の研究成果がそのままプリオンタンパクに当てはまってプリオン説なら、プリオン病は確率的に起こることになり、国による発生の確認・未確認に係わらずプリオン病は発生することになる。
「これは政治の問題」とアメリカ牛肉業界の代弁者がいうなら、二本も政治の問題で解決しよう。即ち、プリオン病にかかっていないと確認された安全な牛肉しか市場に出回らないから、アメリカは日本の牛肉輸入を自由化すべきだ、と。
ちなみに農産物の関税は、アメリカ6%日本12%ですが、食糧大輸出国主要4ヶ国(米豪加NZ)は特に低いけれど、OECD平均は36%です(日本農業の実際知識・全国農業会議所)。
コメント
にしても、変な名前の病気だなぁ〜・・・。
・・・んん、でも病気は、病気かっ!!