航空ファン 2007年 10月号 [雑誌]
2007年9月14日 読書
ISBN:B000UCGUN4 雑誌 文林堂 2007/08/21 ¥1,200
「F-22はF-Xに最適か」と言う特集に引かれて購入。いわゆる航空・軍事評論家の話が7つ14p、表書き、空自の抱えるそれ以外の頭の痛い問題も加えると22pの特集である。
質は量で補えない(メリット)、定期検査までアメリカ送りになることも考えなくてはならないかも知れない稼働率の問題、単価が高価(以上デメリット)、と言った点は一致した見解で、その上でいくつかの選択肢に別れる。
・火急の問題として中央に据える戦闘機とみなして米軍との相互乗り入れを考えるとF-22以外考えられない
・日本の防空システム(地上レーダー網との連携JADGE、早期警戒管制機E-767との連携)を考えデグレードとアヴィオニクスやパイロットの訓練の問題を考えてもF-22はセカンドベストはなく新世代を手に入れられることのメリットの方が俄然大きいのではないか。ただし米と心中する覚悟が必要
・アメリカの手の内を考えるとF-22も生産を終わる頃には議会が軟化するはずでそれまでのつなぎとしてライセンス生産も出来てアップグレードが安く済むF/A-18を入れるか新たな運用思想の導入としてEF-2000を入れてその後にF-35かF-22を入れる
私は当然3つ目の選択肢を選ぶのが一番安価に、日米政治的にも無理がなく、相対的軍事力の見地からも十分にアドバンテージを得ながら国防を行えると考える。日本の空は空自しか守っていない、と言う割元空将がF-22以外考えない、と言うのには何とも疑問を感じる。また、対艦ミッションを誰もまともに論じていないのは、この企画の回答者に統一して欠けている部分であり、その面で大いに不満の残る見解ばかりである(一応、対艦ミッション可能な機体を混合させればいいと言って要撃・支援一体化を無視している人はいた)し、欠陥といっていい。
演習でSu-30MKIにF-15,16は歯が立たなかった、と言う例も挙げているし、中国が・・・と言うが、防空・空戦はシステムで考えなくてはダメなのが常識。Su-30MKIに歯が立たないというのも、私には米空軍がF-22をより早期に、政府が認める以上の要求数を満たしたいがための噛ませ犬演技だったのではないかと思う。何しろ舞台はアラスカ、アメリカ地上防空網もあれば早期警戒管制機もあるはず。インドから招かれたSu-30MKIは視程外戦闘ではなく接近戦で唯一のアドバンテージといえる高起動を駆使しての戦いだったのではないかと勘ぐってしまう。
BAEシステムズの視程外戦闘シミュレーションでは、F-15でも劣勢ながらSu-30シリーズに歯が立たないと言うことはなく、F-15にフェイズドアレイレーダー(アップグレードプログラムにはある)を入れればSu-30のアドバンテージは消えるのではないか?
また中国の動きが不透明、というが、透明だったことがあるだろうか?あの内憂外患で唯我独尊を訴える国が。軍事費が二桁で延びてもそれ以上のインフレに見回れており、主力が4世代に一気に上がる・・・といっても、それは何年後の話か。質と数の論理からすれば、戦力とされているMiG-17/19(そもそもはこれを戦力とみなすことで中国脅威論をでっちあげている一面もある)、MiG-21を代替するに至るには、中国の歴史の中ではほんの一瞬でも、日本にとっては心神の実証機で飛ばしてFSP-XX(所謂ガメラレーダー、ステルス機でも感知できる)のノイズキャンセリング技術を実用化するには十分な時間じゃなかろうか。
それともうひとつ、この特集で周辺脅威論を持ち出すが、現実的に交戦しうる航空機と装備は何か、その発展型の可能性を考えての議論は全くされていない。AMRAAM-Cは、或はAAM-4は無敵でここ10数年間(=F-22にアドバンテージのある期間)これを越えるものは存在し得ないと言えるのか?
あくまで国防はシステムである。レーダーで感知して、ミサイルが撃墜するまでをワンセットで考えなくてはならない筈。
家電製品をカタログや店舗で選ぶようには考えないで欲しいものである。
「F-22はF-Xに最適か」と言う特集に引かれて購入。いわゆる航空・軍事評論家の話が7つ14p、表書き、空自の抱えるそれ以外の頭の痛い問題も加えると22pの特集である。
質は量で補えない(メリット)、定期検査までアメリカ送りになることも考えなくてはならないかも知れない稼働率の問題、単価が高価(以上デメリット)、と言った点は一致した見解で、その上でいくつかの選択肢に別れる。
・火急の問題として中央に据える戦闘機とみなして米軍との相互乗り入れを考えるとF-22以外考えられない
・日本の防空システム(地上レーダー網との連携JADGE、早期警戒管制機E-767との連携)を考えデグレードとアヴィオニクスやパイロットの訓練の問題を考えてもF-22はセカンドベストはなく新世代を手に入れられることのメリットの方が俄然大きいのではないか。ただし米と心中する覚悟が必要
・アメリカの手の内を考えるとF-22も生産を終わる頃には議会が軟化するはずでそれまでのつなぎとしてライセンス生産も出来てアップグレードが安く済むF/A-18を入れるか新たな運用思想の導入としてEF-2000を入れてその後にF-35かF-22を入れる
私は当然3つ目の選択肢を選ぶのが一番安価に、日米政治的にも無理がなく、相対的軍事力の見地からも十分にアドバンテージを得ながら国防を行えると考える。日本の空は空自しか守っていない、と言う割元空将がF-22以外考えない、と言うのには何とも疑問を感じる。また、対艦ミッションを誰もまともに論じていないのは、この企画の回答者に統一して欠けている部分であり、その面で大いに不満の残る見解ばかりである(一応、対艦ミッション可能な機体を混合させればいいと言って要撃・支援一体化を無視している人はいた)し、欠陥といっていい。
演習でSu-30MKIにF-15,16は歯が立たなかった、と言う例も挙げているし、中国が・・・と言うが、防空・空戦はシステムで考えなくてはダメなのが常識。Su-30MKIに歯が立たないというのも、私には米空軍がF-22をより早期に、政府が認める以上の要求数を満たしたいがための噛ませ犬演技だったのではないかと思う。何しろ舞台はアラスカ、アメリカ地上防空網もあれば早期警戒管制機もあるはず。インドから招かれたSu-30MKIは視程外戦闘ではなく接近戦で唯一のアドバンテージといえる高起動を駆使しての戦いだったのではないかと勘ぐってしまう。
BAEシステムズの視程外戦闘シミュレーションでは、F-15でも劣勢ながらSu-30シリーズに歯が立たないと言うことはなく、F-15にフェイズドアレイレーダー(アップグレードプログラムにはある)を入れればSu-30のアドバンテージは消えるのではないか?
また中国の動きが不透明、というが、透明だったことがあるだろうか?あの内憂外患で唯我独尊を訴える国が。軍事費が二桁で延びてもそれ以上のインフレに見回れており、主力が4世代に一気に上がる・・・といっても、それは何年後の話か。質と数の論理からすれば、戦力とされているMiG-17/19(そもそもはこれを戦力とみなすことで中国脅威論をでっちあげている一面もある)、MiG-21を代替するに至るには、中国の歴史の中ではほんの一瞬でも、日本にとっては心神の実証機で飛ばしてFSP-XX(所謂ガメラレーダー、ステルス機でも感知できる)のノイズキャンセリング技術を実用化するには十分な時間じゃなかろうか。
それともうひとつ、この特集で周辺脅威論を持ち出すが、現実的に交戦しうる航空機と装備は何か、その発展型の可能性を考えての議論は全くされていない。AMRAAM-Cは、或はAAM-4は無敵でここ10数年間(=F-22にアドバンテージのある期間)これを越えるものは存在し得ないと言えるのか?
あくまで国防はシステムである。レーダーで感知して、ミサイルが撃墜するまでをワンセットで考えなくてはならない筈。
家電製品をカタログや店舗で選ぶようには考えないで欲しいものである。
コメント