一国で他の国に戦争を打って出る経済、と言うとどういうものか。すべてを一国でまかなうとして、それなりのバランスを持った状態でGDPの2%(徴兵制)〜5%と言った所のようである。お隣韓国は徴兵制の国だが、公共料金には「軍人」という欄があって成人と子供の中間料金だったりするから、間接的出費を加えると結構の社会コストはかかると思われる。少しデータは古いですが、
http://www.eurus.dti.ne.jp/~freedom3/economic-defence-2004-sai-axx.htm
が参照になるでしょう。防衛支出は確実に経済成長にマイナスの影響を与える、とこの頁では結論付けています。
 恒常的に戦争状態にあるとなると10%以上はざら。日本は経済大国だから・・・いやいや、だからこそお金がかかるんです。兵士の給与、負傷・死亡時の給付と保証まで。実際防衛費の半額は自衛官の給与です。たとえ防衛産業を犠牲にして全部輸入に頼っても(そんな重工業国は存在しませんが)、装備費が1/4か悪ければ半額行くかどうかじゃないでしょうか。
 最新の軍事支出だと
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20070814_military_spending/
 アメリカダントツです。あ、ロシア・中国に抜かれた!だから何?ロシアは軍隊を動かせる経済状況に無いですし、中国に戦力投射能力はありません。

 テポドン以来、地対艦ミサイルの発射まで報道される日本。弾道ミサイルは所詮屑鉄。まあ、ゼロリスクの国に別なんでしょうが、それは無視して、もうちょっとまともなミサイルである対艦ミサイルを調べてみました。
http://missile.index.ne.jp/jp/
 ここから北朝鮮(や各国)の持つミサイルが検索できます。
 所謂シルクワームは、飛翔高度100-200m!亜音速!しかもデカイですから、何かの間違いで日本の自衛隊の艦船が射程に入り、あるいは撃たれても、相当遠くから防空レーダーで感知、対空ミサイルと砲、CIWS(20mm高性能機関砲)の的になるだけです(対艦ミサイルのシースキマーモードでの飛行と言うと、ハープーン等西側だと5mで亜音速、SS-N-21で20mでM2.2、これくらいになるとリアクションは結構厳しい)。第一、沿岸100km以内にそうそう近づく必要があるのかどうか?

 一応リスク研究に手を染めていますが、この程度の評価も出来ないとなると、日本は逆に日本事態が敵になる国、と言う事になるでしょう。この件については、また。

コメント

nophoto
Sa−Q
2007年8月23日20:34

こんばんは。

以前、マル檄にゲスト出演された萱野稔人氏(政治哲学)によれば、「戦後レジューム」とは、極端化して言えば「戦争を“公共事業”として、国益を得ても良い国(主に旧連合国)」と、「戦争を“公共事業”としてはいけない国(旧枢軸国)」と截然と分ける事、との説でした。

ちなみに、「環境問題に対するための“公共事業”」も有り得て、京都議定書を通じて日本も“環境公共事業”化するチャンスはありましたが、みすみす見逃してしまってますね。

アル・ゴア氏大活躍の『不都合な真実』は、アメリカが「軍事公共事業」から「環境公共事業」へと舵切りする記念碑的作品、と言えるかも知れません。

さて、そこで日本ですが。戦後、軍事公共事業は元々認められないのですが、「アメリカの核の傘」を初めとする「軽武装アメリカ頼り」の安全保障の元、土建屋的公共事業で多くの人々の餬口をしのいできましたが、小泉前総理の下、その構造もだいぶ壊れてきたかと思います。

さてはて。どっちに進めばいいのやら……。ッてか、今「日本の舵」をきってるのは、どこの誰さんなのでしょう(笑)。

淵瀬春秋
淵瀬春秋
2007年8月24日16:47

「不都合な真実」には、「アメリカは今後はより一層の資源エネルギー浪費に邁進するのだけど問題ないからね、だって・・・」とIPCCや石油枯渇説などの話の裏にある不都合な部分を暴露しているのでしょうか。だったら読んでみたいです。マル激でどう評価されたかは知りませんが、子供ブッシュは今後も技術開発はするけどアメリカから資源エネルギー浪費はよりいっそう進める、と言っていますよ。
 環境公共事業なら、既にパンクしたリサイクル事業と無意味な新型焼却炉建設運営ネットワーク構築と言う形で実現されています。サーマルリサイクルでもしていれば、まだマシなんですが、これはリサイクルに入れないそうです。かといって、モノマーリサイクルやカスケードサイクルが分別収集によって進んだと言う話は聞きませんねぇ。ここにもかなり公金がつぎこまれているので、公共事業です。

nophoto
Sa−Q
2007年8月25日20:28

こんばんは。Sa−Qです。

『不都合な真実』、本ではなく、映画の方については、長く環境問題を取材されてる神保哲生氏によると「新しい情報は見あたらない」のみならず、「キリマンジャロの雪」等、既に別の原因による変異と分かってる筈のことも盛り込まれている、とのことでした。ただし、下記で触れる「ポリティカル・ゲーム」に注意して見る分には、環境問題に疎い人には良い「入門」となるでしょう、とのことでした。

『華氏911』もそうですが、神保・宮台両氏によれば、この手のアメリカ製映画については、ポリティカルな立ち位置を明確にした上で行われる、ある種の「動員ゲームのネタ」であって、アメリカの参政権を持ってない他国人が見る場合、「アイツがワルい奴だ! やっつけろ!!」と吹き上がるのは、非常に滑稽なことだろう、とのことでした。

その点、同時期に公開された『ダーウィンの悪夢』は、分かりやすい「ワルい奴」が居らず、むしろワタシ達自身が「悪夢の余録」に預かってる可能性が示唆される分、神保・宮台両氏とも、高評価でした。

G・W・ブッシュ氏については、これはマル檄の論調では無く、ワタシ個人の感想ですが、ほとんど「死に体」ながら、「新しく出来る、かもしれない」“環境公共事業”ルールになんとか手を突っ込んで、乗り遅れまいとする、悪あがきに見えます。

淵瀬春秋
淵瀬春秋
2007年8月26日1:09

どんな環境公共事業でしょう?
90年代には風力発電の補助金を切って結局発電量は減少、バイオエタノールは温暖化の寄与を30%程下げるだけで需要にははるか満たない、穀物価格の高どまりを生むための政策です(既に切り捨てるべき小農が無くなって、価格支持を国際的な取り決めの中で合法的に行う手段として選択しただけ)。おそらくマル激ーQは、子供ブッシュの枕詞、「技術開発によって」と言う部分にフォーカスしすぎていないでしょうか?その後に何が続くかは私が上に書いた通りです。結局、「不都合な真実」はQの揶揄するお馬鹿さんが、「これは問題だ!」と言うだけの代物ということでしょう。本質は浪費の増大でしかありません。
 日本の燃料米の温暖化寄与削減効果は、カーボンニュートラルどころか、実はありません。元より含アルコール燃料は合法的に販売できたものを、数件の火災事故で悪者と決めつけ(実はその事故が起こった当時に生産された車にはアルコール燃料対応の処理がしてあって問題は無かった)、つぶした後、再度含アルコール燃料を売り付けようというのも、悪しき公共事業で、税金のやり場に困った金満国家財政の成せる技でしかありません。

nophoto
Sa−Q
2007年8月26日8:19

おはようございます。Sa−Qです。

>「不都合な真実」はQの揶揄するお馬鹿さんが
>「これは問題だ!」と言うだけの代物というこ
>とでしょう。本質は浪費の増大でしかありません。

仰る通りです。

先のレスでは少し強調し切れませんでしたが、「科学レイヤー」上での“事実究明競争”でも、「技術レイヤー」での“開発競争”でもなく、あくまで、環境問題をネタにした国際社会上で「新しいルール」策定争いという、ディプロマティックな「田子作の鍔迫り合い」的競争について述べた積もりです。

この構図は、アメリカで共和党政権が続いても、民主党政権に変わっても、おそらく変わらないでしょう。

おっとり刀で「アメリカ殿、助太刀致す!」と飛び出しちゃったりするのが日本、という事態くらいは、出来れば避けたいところです(笑)。

淵瀬春秋
淵瀬春秋
2007年8月26日10:59

>ディプロマティックな「田子作の鍔迫り合い」的競争
 なるほど。それほど、執心しているかといって、所詮企業連合の代弁に終わるか、プロパガンダだけのような。そのへんは、国際レジームの中で常に穴だらけの大戦略を提示する国としては当然の行動でしょうね。既に日本はやっぱり死に体の首相が温暖化ガス削減をなんの根拠もなく言い出していますが・・・こちらは代弁するべきものも後ろ盾もありません。

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