ISBN:4796658939 新書 槌田 敦 宝島社 2007/06 ¥756

 本当は「環境保護運動はどこが間違っていのか?」が正しい。
 出版年が新しかったのでなんとなく買ってみたが、大失敗。だけどこの馬鹿臭さ・古くささが現代に流布されるのだと思うと無視はしない方がいいだろうと言うことで読んでおいた。
 といっても全否定する訳ではない。原発がライフサイクルにおいては火力発電以上にLC-CO2のかかるシステムである、リチウムは希少金属(ツッコミが足りないけど)、環境問題は政治的取り引き、等はこの本の初出である1992年と変わりがない。
 混ぜるなら燃やしてサーマルリサイクル、と言うのは同床異夢。
 が、塩素と水銀は排斥すべき、等は噴飯物。クローズドサイクルの考えと市場化(例えば鉛等)は80年代から行われていた訳で、そのへんあまりに視野が狭いし、モノマーリサイクルの考えやリユースの実践、カスケードサイクルと言ったものに言及できていないのは、15年の月日では説明の付かない欠陥。
 筆者は物理学会の会員のようだが(付記に物理学会で発表、とあるので・・・学会発表にオーソリティはありません、普通査読は無いから)、その物理学会は20%ルールを言い出している。筆者も物理学者の端くれならもうちょっと知識の幅をひろめるべきである。
 少なくとも、15年前のものに付け足しを加えるだけで再版するなどという科学技術の進歩を無視した事自体を顧みるべきではないか?

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