ISBN:4862481221 単行本 武田 邦彦 洋泉社 2007/02 ¥1,000

 売り上げ5位ですか。へぇ〜。

 アジテイトする部分が多いので、その辺の雑音を除いたとしても、
・ダイオキシンに毒性・催奇形性は少ない
 というのはそれなりの知見。まあダイオキシン類は雑多な化合物の集まりで、毒性の低い物も高い物もある。そのため毒性等量値を使うのだが、そのあたりの説明が無いのは情報が偏っている。毒性等量値だっていい加減な物であるから、これが多い・少ないだけで論じるのはいかがな物か。
 兎も角、ゴミの野焼きが悪い、とは言えないというのは合点の行くところだ。が、塩ビを燃やすのはいけない。ダイオキシンではなく、塩素ガスが出るから(これはキツイ・・・経験上)。
・ペットボトルリサイクルのウソ
 これは知ってたけど、定量的に示された価値は大きい。
 分別ゴミも結局焼却・・・というが、廃プラを高炉で燃やしたり、サーマルリサイクル(RDF発電も含む)等も含むのでは?このあたりはエクセルギー的に解きやすい問題だと思うけど、言及していないのは残念。秋葉出張では詰め替えインクを買おう(リサイクルよりリユースが良いから・・・でも表に売ってないんだよなぁ)。
・温暖化問題と森林
 まとめ的に見て、要は大量消費社会が悪い。大量廃棄はもちろん、リサイクルにもエネルギーを食う。このあたりをLCA(LC-CO2, LC-Energy)的に解くのはそこまで難しい話ではなく、重工業界ではLC-CO2データベースが作られている。複雑怪奇な加工製品であっても環境担当者は白い目で見られながらデータを集めた。これが公開され、本質的にリサイクルを前提とした省資源消費型の製品を作ることに持ってゆくことが必要なんだろう。
 兎も角アジテイト本で、建設的議論が無いのが残念。
 分別が無駄でも絶対の真理はある。
「ゴミはゴミ箱に」

コメント

skullsberry
猿滑骸骨
2007年4月14日12:24

面白そうなので購入しようと思います。

淵瀬春秋
淵瀬春秋
2007年4月14日20:45

最初に奥付を読まれると、がっかりかもしれないですし、適当な軽い読みものというだけで、中身には不備が随分と目立つというのも、感じたところでした。

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