ISBN:4480062998 新書 愛敬 浩二 筑摩書房 2006/04 ¥777
「改憲=九条削除、護憲=九条堅持」、という単純思考のはびこる政治の中、もうちょっと掘り下げて考えようよ、というのが本書の狙いであり、それに関して近年の動向を見つつ問題点とそれに対する著者の立場(いわゆるリベラル)を貫いた姿勢、視点、評価にはうなづける所が多い。
私は自衛隊をアメリカの番犬にすることに反対(その意味では著者に賛成、かつ国際貢献=アメリカ追随の現在においては自衛隊であることに問題はないと思う)、国連PKO/PKFでの国連一致での活動には賛成(そのためには安全保障理事会の承認を通っていること)なので、多少たもとはわかつが、「愛国心」を盾に国民を統制するための憲法への改悪というシナリオが現実味を持ってきた現在、非常な危機感を感じるのは事実であり、強く共感す部分であった。
「改憲=九条削除、護憲=九条堅持」、という単純思考のはびこる政治の中、もうちょっと掘り下げて考えようよ、というのが本書の狙いであり、それに関して近年の動向を見つつ問題点とそれに対する著者の立場(いわゆるリベラル)を貫いた姿勢、視点、評価にはうなづける所が多い。
私は自衛隊をアメリカの番犬にすることに反対(その意味では著者に賛成、かつ国際貢献=アメリカ追随の現在においては自衛隊であることに問題はないと思う)、国連PKO/PKFでの国連一致での活動には賛成(そのためには安全保障理事会の承認を通っていること)なので、多少たもとはわかつが、「愛国心」を盾に国民を統制するための憲法への改悪というシナリオが現実味を持ってきた現在、非常な危機感を感じるのは事実であり、強く共感す部分であった。
コメント
一昨年でしたか、改憲論についてシリーズで取り上げたことがありました。
一番印象に残ってるのは、土井たか子氏がゲストの回。
ゴリゴリの「護憲派」だと私も思っていたのでしたが、1時間半ほどじっくり話を聞いてみると、意外や意外、「改憲、なんの問題もない。もちろん“必要なら”」というお答えでした。
氏の主張は、「でも、その前に“やるべきコト”やってないでしょ」。対して宮台真司氏は「“やるべきコト”をやるため、あるいは“やるべきコト”をはっきりさせるため」に改憲論議は盛り上がって欲しい、との主張。改憲かそのままか、その結果についてはあまり悲観していない様子でした。
そこは慎重に行かないといけないと私も感じるのですが、宮台真司氏が考えてるのは、おそらく、「改憲論議」で巻き起こるコミュニケーションによって、民度を少しでも上げる方向に持って行きたい、ということなのだと理解しています。間違った理解かも、ですけど(笑)。
境界例型の社会の成立は、民度の向上が見込めない事、それはリテラシーの育成の失敗に顕著に現れ、本書の著者の指摘する国民を拘束する憲法への道を大きく開く結果となったのではないかと危惧しています。このような動きはもうちょっと前、小泉初期vs香山リカ「<私>の愛国心」に示され、安倍政権で明文化されました。