sadなTHAAD

2007年2月6日 世相評価
 正しい発音記号は判らないけど、THAADも「サッド」とも(サード)とも読むそうです。何かと言うと、アメリカの弾道ミサイルの高高度迎撃ミサイルです。開発がどうなっているか判りませんが、陸軍が2007年配備予定にしているとの事。地上発射で射程は100km以上あるので、首都圏防衛の切り札に出来るのですが、どういう訳か、防衛省は勿論、マスコミも喧伝しませんね。かわいそうなので取り上げてみました。
 まあ、どっちにしても私はアメリカとイケイケのTMD/BMDには反対です。費用対効果がないし、弾道ミサイルは何処に落ちるか判らない、というのが本当の所。
 テポドンの時に福田官房長官(当時)が「山手線の内側に落ちるくらいの精度」と言った報道が流れたけれど、それは半数秘中半径の話だろう。しかも地図を見ると判るが、山手線は酷くいびつな楕円形で長径を取るか短径を取るかで随分違う。
 もう一つ、高高度からの大気圏再突入技術、と言うのは実はものすごく難しい。「ロケット技術は弾道ミサイルに応用可能で・・・」という報道は、日本は既に核兵器を手にしているのと同様であると言うのと同じくらい飛躍がある(現実には「もんじゅ」、「とうかい」という放射線ばらまき兵器を持っているが)。
 もう10年くらい前になるが、H2ロケットで打ち上げた試験衛星に、高高度飛翔・再突入実験衛星と言うのがあった。何でこんなもんを作るかと言えば、実験装置を無重力下に送り込んで実験し、それを回収するためである。そのためには出来る限り狭い特定の場所に実験装置を落とす必要がある(でないと回収できない)。この技術衛星に必要な技術は、弾道ミサイルに応用できる/その技術を渡すのの同じ、という論理で、豊富な実績を持つアメリカは日本に技術供与を拒否している。その程度に機密、難しい技術なのだ。ボールが投げられれば、誰でもプロ野球投手でエースになれる訳ではない、と言うのと同じ。

 で、THAADである。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe7000/fe_ki20070120_01.htm
 によると、弾道ミサイルの防衛はSM3とPAC3しかない、って書き方だけど、これは間違いだよ、と言いたい、ただそれだけ。ランチャーは専用だけど、レーダーなどの付属装置はPAC2(即ちPAC3)と同じ物が使える。全然日の目を見ないのは、日本の政府がタコなのか(タコに失礼か)、アメリカが売らないのか。

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