人によってはあまりに衝撃的なので神経の強い人用です。







 盛岡の農業試験場で見たそのままです。
1. 牛を専用の棟に入れる。かなり暴れるので危険、鼻輪を床に固定して動きを封じて、工事現場で使う20kgハンマーを加工したもので一撃、頭骸骨の眉間部分に穴を開ける。普通のと場ではボルトピストルのひも付きの弾丸で眉間を割る。この時点では牛は倒れこむが、実は失神しているだけ。
2. 穴にワイヤーを突っ込み脳幹を破壊する。これで死亡する。
3. 床に大量の水を流した状態で頭を切り落とし、腹を裂いて内臓を取り出す。後日測定に使うので即バットにとって保管。
4. 皮をナイフと力で剥く。エアナイフなどの新しい器具を使うより、こうした手作業のほうが部溜まりがいい。
5. 鋸で背骨に沿って切って体を二つに割る。
6. 後ろ足に鉤をかけて、吊り上げ、冷蔵保存

 特にショッキングなのは、1.の工程、まさに生き物が死体に変わる瞬間。これが6.の肉塊に至るまで、30分かから無いスピード作業。職人さんの腕のよさを感じる。
 が、こういうことが表に出ない背景には、「仏教的な・・・」云々という道徳観ではなく、いわゆる被差別部落の方の仕事、という問題も絡んでいるからである。詳しくは「ドキュメント屠場」(岩波新書赤本)を読んでください。もっと効率的、システマチックに牛と豚が捌かれる様子が書かれています。

 可愛そう?じゃあ明日からベジタリアンになりなさい。動物性蛋白なんて摂らなくても生きてゆけるんだから。必須アミノ酸が足りないと言うなら、大豆を食べれば大丈夫。納豆&豆腐はまさに畑の肉よ。

 この工程、盛岡の農業試験場に入った新人5人のうち、全うに見ていたのは私だけでした。いい勉強になりました。後日の試験は、内臓脂肪の調査。牛の肝臓ってもっと大きい記憶があったのになぁ。

コメント

kaj
kaj
2007年1月28日2:33

植物も生命体ですよ〜
近来のレポートの中には(かなり、トンでも論文も含まれているようですが...笑)種としての通信時にフェロモンを使用するのだとか?
だから、ベジタリアンも自己欺瞞の一種段です(笑)

nophoto
leeswijzer
2007年1月28日5:19

> 詳しくは「ドキュメント屠場」(岩波新書赤本)を読んでください。
つい最近,内澤旬子『世界屠畜紀行』(2007年2月10日刊行,解放出版社,ISBN:9784759251333)というナイスな突撃「屠畜場」レポートが出版されました.これは読むしかありませんぞ.→書評(http://d.hatena.ne.jp/leeswijzer/20070124/1169682995).
牛だろうが豚だろうが駱駝だろうが羊だろうが何だってツブしてしまう迫力.イラストと文章でもうおなか一杯です.解放出版社のヒット作だと思います.会議疲れのこの季節の気分転換にいかが?

kaj
kaj
2007年1月28日9:08

了解、今日こそ街場で大きな本屋めぐりをしないといけませんね♪

淵瀬春秋
淵瀬春秋
2007年1月28日15:06

 屠畜に関しては、「狂牛病」(岩波新書赤本)にも記載があるのですが、イングランドのvCJDの元になった畜産物を売ったとされる肉屋(屠畜も行っている)に関して、地域の人は「腕のいい肉屋だった」とコメントしているのが印象的でした。日本とは偉い違いですね。
 農業関連研究者として解放出版社の本は是非読んでみます。

Bow
2007年1月28日15:32

 やはり、こうした現場は日本でもあるんですよね・・・ご存知かと思いますが、アメリカでしたらPETAが情報を集めております。。。
 やっぱりVegetarianで良いように思います。ミルクは、それほど残酷なストーリーは必要ないので、Lacto-Vegetarianでしょうか。鶏卵は丸ごと食べるわけで、視覚的ではないにせよ、残酷かも?

くまぷ〜
くまぷ〜
2007年1月28日16:02

大学時代、牛の卵巣を貰いに屠場へ行ってました。当時、忠海と、福山にあったのですが、初めて行った時は、かなりショックでした。この工程、しっかり覚えてます。
懐かしいっていうか、生々しく思い出しました・・・。

淵瀬春秋
淵瀬春秋
2007年1月29日9:57

Bowさんのレシピには、栄養学的背景以上に、素材と料理への敬意を感じております。私は専ら消費者ですが、研究者としての知識以上に、美味しく畜産物を食べるための実体験としてと殺には知るべき事が詰まっていると思う次第です。国外の事情も配慮してか、畜産学会(産学官連合体です)でも家畜福祉という部門がありますが、要旨を見る限り事業者の独りよがりにも劣る物でしかないと感じております。
 くまぷ〜さんの学部だと、そう言う現場にも行かれるのですね、やっぱり。どうも畜産関係者と言うと、農業試験場関係では酒飲み話も生殖の方が盛んなのですが(種牛を集めている所にも行きました。岩手県では滝沢村にあります)、食べる前段階もちゃんとご存知である事と判って、ちょっと安心しました。

Bow
2007年2月3日18:21

あら、、、光栄です。
畜産学会ですか・・・輸入業の影響で、必死なところもあるんですよね、きっと。その辺は、現場に足を運んで、働く人とコミュニケーションをとってみたいと真摯に思います。ただ、淵瀬春秋さんの思うところ同じかと思いますが、まわりの世界が見えていない様子もあるのかなと予想してしまいます。経済や法律など、現場に伝わっているの?って思うことありますから・・・

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