最悪は脱したかもしれない。何とか字が読めるので、論文の見直しと査読者への手紙を書く。Linuxで書いて、Winで書式を確認、オンライン投稿。これでまたキツイ返答が帰ってこなければいいが。受理されていた論文も出版に向けステップが進んだと報告が入る。今年中に出てくれよ。あと学会の要旨(英文)と研究会の簡易原稿(和文)、シンポジウム発表の準備。来月中とはいえ、気が重くなる。

 今日は職場の夏祭り。が、どうにも気分が乗らず、しかし前売りチケットがもったいないから、激辛タイカレーを食べた。ポーランド料理は見逃した。中国人留学者の餃子と、串焼きの模擬店は長蛇の列だ。人前に出るのが億劫で、食べたら即帰った。

 ネットで調べたLinuxでのpppoe接続の方法を試してみた。うまく行かなかった。困った。

 脳みそが動かないとき、何気にかdiarynoteのリンクをたどったら、BSE関連でジャーナリストの話をコピーしたものがあった。内容は「うそこけ」である。なんでもBSEになった牛の肉は1gでも食べれば感染するとか。動物衛生研究所プリオン研究センターでは牛にBSEにかかった牛の脳を食べさせて感染するかという実験を行っているが、今のところ成功していない。以前、異常プリオンは正常なものを異常なものに変化させる・・・というテレビを見たが、これも科学的に検証されていない。動物衛生研究所では、どうやって正常プリオンが異常になるかを解明する、という研究題目で連合大学院の学生を募っている。第一にプリオン病でノーベル賞をとったプルシナー自身、純化した牛の異常プリオンを牛の脳に接種したが牛はBSEにならなかったし異常プリオンは増えないし脳みそも健康だった、という研究結果しか持っていない。病原体を純粋に取り出し、これを接種することで病気になるかを見て、後に病原体が体内で確認される、というのがコッホの三原則であり、病原体が感染症の原因であると認定されるための必須事項である。プルシナーは発病さえさせられなかったのだから、三原則を満たしていない。それでもなお異常プリオンがプリオン病の原因であるとする説の裏には、異常プリオンの蓄積した脳をすりつぶした物を限外ろ過したものには、BSEを発生させる能力があった、という実験結果があるからである。ろ過に使われた膜の穴の大きさの検証(必ずしも同じ大きさの穴が開いているわけではない)が必須であるが、結果は明らかではない。異常プリオンに目が行くだけで、限外ろ過を超えた他の蛋白質やバクテリオファージのようなものによって発生したのかもしれない、という疑問もつく。
 ついでに補足すると、羊、牛、人ではプリオンの蛋白質部分の一次構造は少しづつ違う。蛋白の違いの壁がどうして越えられるかももちろんわかっていない。
 プリオン病を引き起こす原因として、他にはスローウイルス説、重金属説などがある。何がなんだかわからないから、FAOは唯一の安全策としてプリオン病にかかった家畜は廃棄するように言っている。特定危険部位を除けばいい、という問題ではないのだ。
 それにへたれ牛の肉なんぞ、誰だって食べたくはないだろう。

 明日からは次の仕事に移ろう。実験をするには怖いし頭も回らないが、学会シンポジウムのトリにできるようなストーリーは浮かばないでもない。今回一番の問題は、原稿をWinで作らないといけないこと。論文の図表は全部Macだから引っ張り出すのが大変そうだ。

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