靖国問題

2005年11月23日 読書
ISBN:4480062327 新書 高橋 哲哉 筑摩書房 2005/04 ¥756

 こういうのを左翼だ・反/抗日だと思考停止して攻撃する人も出るだろうな、と思えるほどしっかり芯があり、理路整然と靖国神社とそれをめぐる人の動き・思想の問題点を批判的に追求していた。
 靖国問題とは今に続くポストコロニアルな戦争認識と「平和に」「真摯に」等といいながら実は思考停止と矛盾の中に有るセントラルドグマであるといえる。だからといって、著者は靖国神社を否定はしない。そのための用件も打ち出しているし、無茶な要求ではない(ただ過去からそのような主張ははっきりしたいともなく無視・否定されている)。一方でしばしば言われる無宗教の国公私立追悼施設に対しても靖国代替施設になる可能性から(実際そのような動きもある)批判の手を緩めない。
 話の櫛のとおりの良さといい、着実な論理展開といい、まとまりといい、考えることが好きな人には何をとってもお薦めの一冊。

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