<私>の愛国心

2005年8月13日 読書
ISBN:4480061851 新書 香山 リカ 筑摩書房 2004/08/06 ¥735

 解離と境界例的な世間にあって、「私」という主体のないのない中で語られる「愛国心」とはどんなものか、という病理を記載した本。一連の著書の中で近年のキーワードとして解離と境界例、漠とした不安と言うのが必ず噛んでくるのだが、これはこの著者に限った物ではなく、言い回しが違うだけで世相を批判的に論じる人たちが必ず論じているところをみると、外れてはいない状況なのだろう。
 バブル景気の中にあって、鴻上しょうじ氏(漢字忘れたし本がない)が、漠として求心力のない上で、世間がファッショに動いた時、そこに浮かんでくるのが「国家」という胡散臭いものでなければいいがと憂えていたのを思い出して、背筋が寒くなったり、境界例に対してリミットセッティングという手法がある事が勉強になったり、これはこれで国際関係に活かせるんだけど、政治的にこういう境界線を引くってのは、日本はつくづくダメなんじゃないかと言うのも事実。ま、境界例の典型を行く風見鶏首相にはそんな事出来る訳ないけどね。

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