韓国から来ているパク室長の要望は、1.農水省の人と家畜ふん尿を主体とする環境保全対策等に関して話し合いたい、2.職場でセミナーを開きたい、3.実際の畜産農家でのふん尿処理を見て見たい、であった。これまで前者2つを済ませているので、今日は栃木県西那須野へと出張し、畜産農家と付き合いのある研究者の人の案内で二件の酪農農家を見学した。

 まず一件め。フリーストール厩舎ではあるが、意外な迄に粗放的で、一頭あたりの厩舎面積が広い。比較的広く開いた建物であることを加味しても厩舎特有の匂いが驚くほどない。これはこの農家さんの誇るところである。堆肥化施設は厩舎の1/3程度あり、かなりの充実ぶり。とはいえ、経営的には堆肥化施設はお荷物であり、半量を野菜農家などに引き取ってもらっているという(つまりは野菜農家ではゴミ処理を言う認識)。家畜排泄物の適正な処理に関する法律は、重荷でしかない模様。一次発酵の時点で使用しているという。いわゆる中熟堆肥である。しかし一般の畜産農家を考える上では非常によいモデルケースであると思った。

 次もフリーストール厩舎だが、結構匂いがある。厩舎面積と同じくらいの新しいふん尿処理施設を持つ。乾燥施設や堆肥化施設を見学。なんでも天皇陛下もご行幸されたとか・・・でも話を聞いても先の農家からすると大名商売っぽい感じはした。日本でも共同堆肥化施設というのはあるけど、基本は自家処理。韓国では逆だというと、農家さんは「そっちのほうがいいねぇ」という。

 JAS有機認証圃場はうなぎ登りに多くなっているし、持続的な農業生産に関する法律なんてのもあるが、有機物-堆肥の畜産農家-耕種農家間の繋がりがちゃんとあるかって、実はないから、そのあたりのズレを目の当たりにした。

 そして最後に受け入れをしてくれた研究所の実証研究施設を見せてもらう。実はこの研究所、就職して3年目くらいから月2かいは通っていたし、面識のある人がいたので、中は判っていたが、ここ5年ほど来ていなかったら随分作りが変っていた。驚き。
 家畜ふん尿の処理で大変な事として、臭いふん尿を如何に臭くなく処理するかだが、その方法の開発をしているという。匂いの一つはアンモニア、なので堆肥化中空気を吸引してアンモニアを吸引しリン酸液を通してリン酸アンモニウムとして固定しているという。なんとも凄まじい・・・技術的には面白いが、導入する価値を考えるとどうかと思う・・・ものを見せてもらう。

 コレで任務終了。あとはfreeにすごしてもらうこととする。

 帰り道、重体に巻き込まれつつ、夕食をとろうと店を考えるが浮かばない。まあ調査の時には帰り道で夕食って考えてなかったんで仕方ない。が、道中見つけた食堂に入り込む。ハムカツと鳥から揚げの定食。ハムカツのあつさが1.3cmはあって難渋した。
 もう一つの難渋は、車のイスの悪さ。300kmでここまで疲れるか??1.8Lカルディナの走りはなんとも悪かった。

 職場に帰って見ると、月曜朝までにパク室長に見せてほしいと書かれたハングルのファックスが。ひえ〜!ゲストハウスに走る。おかげで本来やりたかったメール書きとかが出来なかった・・・

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