ISBN:4004307597 新書 中村 靖彦 岩波書店 2001/11 ¥735

 嫌悪感や不快感、風評、感情を逆なでするだけのジャーナリズム以上の意味はない。
 妙に穿った見方を断定しない形で判ったように書いているが、その実なにも判っていない。まあ、2001年の出版だから仕方ないかもしれないが、ほぼ同時期に出た「なぜ牛は狂ったか」に比べると(コレはコレで?と思う事もあったけど)まったく科学性がない。
「なぜ牛」を引用するならプリオン蛋白は140個のアミノ酸が結合した蛋白質に-(CH2)n-な脂肪鎖がくっついたもの。昔、脂肪鎖を細胞膜に打ち込んでその表面で機能する蛋白?って話題になったアレと同じようなもの。羊(スクレイピー)、牛(BSE)、人間(CJD,vCJD)ではアミノ酸の組成と順序(1次構造)が異なる。
 この本では羊から牛に、牛から人に「移った」というが、実はその移行メカニズムは勿論、実は食べれば伝染する、ということは未だ科学的に確認されていない。いま、動物衛生研究所プリオン病研究センターでは日夜牛に牛の異常プリオンを食べさせて発病するかなどを研究している最中であることを記しておきたい。

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