ISBN:4062574187 新書 高橋 久仁子 講談社 2003/09/21 ¥945

 サプリメントや健康食品の無意味さを書きつつ、日本は豊かな食の国なんだから、節度をもっておいしく食べましょう、という論旨。書いてあるのは普通に考えれば常識以上の何ものでもない。じゃあ読む価値がないかって言うと、現代人の節度・モラル・たしなみ、逆にありもしない無意味な健康や食品に対する過度な期待を抑止する面としての価値はあると思う。
 いわゆる健康雑誌1985-2000年のタイトルを見て、痩身術はごまんとあって一貫した論はないとか(それは本の売り場でわかることですがね)、保健機能食品とあっても実は売り文句ではなく他の成分で表示を得ているとか(コレは成分表示だけではその意味を知らないと判断できないが)、知っておいたり確認して損はないと思う情報も多かった。

 ちなみに私は血中脂肪がちょっと多いので精神科の医者(内科の看板も出している)にEPA製剤を処方してもらっている。実はこれにはもっと別の意味があって、それは「頭が冴えるから」だったりする。日本では認められていないが、アメリカとイギリスでは精神医療にEPAが用いられており、それなりの効果を挙げている。その医者が独自に調査したら協力者の60%程度に改善が見られたそうだ。「頭が冴える」なら飲んでみたい人がいるかもしれないが、効果があるのは一日EPAを概ね2000mg摂取した場合。これを巷のサプリメントで実現するのはかなりキツいし、何か問題が発生しても保証の限りではない(私も医者も保証できない)。
 効果がある、っていうのは、往々にして極端な事をしないと実現できないことの端的な例。
#冴えててこの程度?ってツッコミは勘弁

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